欠伸軽便鉄道通信19
2024-03-24


オープンディの開催(連載第19回)

 オープンディとは、「一般公開日」という意味です。日頃はクローズド(非公開)である個人の庭園鉄道やクラブレイアウトを、広く一般の方に楽しんでもらうために開催されるイベントです。欧米の個人の庭園鉄道では、オープンディが1年に何度か行われるのが普通です。
 室内に作られた鉄道模型のレイアウトの場合、公開しようと思っても、部屋ぎりぎりにレイアウトが作られていることが多く、大勢のゲストを一度に招き入れることができません。その点、庭園鉄道なら、スペース的には有利でしょう。
 もっとも、天候に左右されるので、気候の良い季節を選ぶ必要がありますし、雨が降らないことを祈るしかありません(雨天でも行われる場合がほとんどですが)。
 ゲストを客車(トレーラ)に乗せて庭園内の小旅行を楽しんでもらうためには、日頃から線路や車両の整備をしておく必要があります。安全に細心の注意を払い、小さい子供がいる場合には、運転士以外に、周囲の安全を確認できるスタッフが必要です。車両は重量物ですから、線路と車輪の間に手や足を挟んだら大変な事故になります(ちなみに、欠伸軽便鉄道では、小学生以下の子供は基本的に参加をお断りしています)。
 庭園鉄道の楽しさを体験してもらうには、機関車の運転もゲストにしてもらうと良いでしょう。この場合には、さらなる安全確認や、運転の指導を入念に行う必要があります。
 日頃、自分一人で楽しんでいるときには問題がなくても、ゲストが乗ったり運転したり、また複数の列車が走ったりすると、予期しないトラブルが必ず発生します。
 最も多いのは、トレーラに乗っている人が走行中に動いてバランスを崩して生じる脱線事故です。スピードの出し過ぎが、事故につながることもあります。上りや下り勾配の標識や、信号機などの整備も不可欠となります。
 とはいえ、一人のときには気づかなかった不具合が発見されることで、技術面では大きなプラスになります。大勢が楽しめるオープンディは、庭園鉄道の一つの目標でもあり、晴れ舞台となることはまちがいありません。

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写真1 オープンディの様子: 欠伸軽便鉄道のオープンディは、最も爽やかな気候の8月に3日間連続で開催される。ゲストは20人〜30人。庭園内に宿泊もできる。

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写真2 オープンディの様子: 同時に複数の列車が走るのは、オープンディのときだけ。

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写真3 ゲストの運転による運行: 一般のゲストには、操作が簡単な電気機関車を運転体験してもらう。

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写真4 中に乗り込むタイプの電車: 普通の列車とは少し違った感じで楽しめる。

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[「子供の科学」連載]

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